『く』の話。あるいは本に寄せて。

クリスマス前にたどり着いて、さてはてどうしたものかと考えっていたら、あっという間に月日が過ぎて現在でござる。というような言い訳を口にしつつ、久しぶりに投稿ができてホッとする。

 

本当は『首が回らない』だとか『苦しいクリスマス』だとかいう言葉をひねり出していたのだが、最終的に最近読んだ本に落ち着いた。

 

世の中には『ジャケット買い』なる言葉があって、それはよくCDで使われるように感じるが、本読みの世界でもこの言葉は往々にして使われる。

確かこの『夜の写本師』という本は元々がため息が出るほど美麗なイラストが表紙を飾る、本を読み終わるのがもったいなくなるであろう本であるということは直感的に分かる本だった。

だが、悲しいかな、本棚というものには物理的限界があるもので、泣く泣くこの本の購入を見送ったことがある。それがある日秋葉原の本屋(最近の大手家電販売店舗には立派な本屋とCDショップが併設されているのだ!)にてこの本を発見した時は心のなかでガッツポーズをして手にしていた別の購入予定の本をすぐに棚に戻し小走りでキャッシャーまでスキップをして財布を開いていた。

やはりというべきか、この本は面白いので、積み本の余裕のある人は呼んでほしいと思う。軽くはない。トールキン系譜上橋菜穂子のような重みのあるファンタジー小説だ。子供におすすめできるかと言われると少々怯むが、それでも面白いのは事実なのだから仕方ない。

続きの本も出ているが、文庫本で1000円を超える本をおいそれと手にできるほど豪気でもないので、暫く見送ることになりそうだ。

 

因みに、その日諦めた本は後日結局購入した。ミステリ者の私にSF脳の妹が進めてくれたアニメの小説版だが、SFというよりは、泥臭いハードボイルドのようでこちらはこちらで楽しめた。

 

そういうわけで、次は『け』である。早く見つかれば良いのだが。